自身の課題をどう考え、修正していくか
皆さま
お世話になっております。
昨日はサッカーノートをどのように書き、どう活用していくかについての話でしたが、活用の仕方についてはご理解が深まった方もいらっしゃるかと思います。
どう書けばいいかについてはまだまだ分からないという選手も多くいらっしゃると思いますので、こちらもう少し説明をできたらと思います。
昨日に続き、今回も「サッカーノート」について、今回は「サッカーにおける自身の課題をどう考え、修正していくか」について話して行きます。
チャレンジ、エンジョイ問わず「今日は何を自分でやりたいか」「何が今チーム全体でできていないのか」等を練習でも事前に問う機会が今年度は昨年度以上に、指導者側も意識的に増やしております。自発的に練習に取り組むためには、ただ提示されたメニューを淡々とこなすのと何を課題と感じていてそれをできるようにしたい、かが明確であるのとでは成果も変わってくるでしょう。
ある選手が例えば「パスができるようになりたい」という声をあげたとしましょう。
パスと言ってもラストパス、中盤での組み立てのパス、最終ラインからのビルドアップのためのパス、2タッチのコントロールパス、ダイレクトパス、スルーパス、浮き球のパス、、、パスだけでもパッと挙げれるものとしてこれだけの「パス」があります。
では選手たちが具体的にどのシチュエーションで用いるパスをやりたいかとなると、これがどうしても詰まってしまいます。
「いや、小学生年代だし仕方ないよね」と思ってしまえばここで話が終わってしまうのですが笑 小学生だからできないなんてことはないと思っています。何故かも追って触れていきます。
エンジョイの選手たちはどんどん自身の主張ができる選手たちが、チャレンジの選手よりも増えているように思います。伊藤コーチがどんどんアウトプットの場を提供していること、彼らも発言をみんなの前でだって本当はしたいこと、、
ですから意見出しも活発です。対してチャレンジの選手には私はあえてグループで出し合ってもらうのもあるかもしれませんが、それがまだ上手くできる選手が限りなく少ないです。
下記はある日の練習前、「自分達が考える課題から、TRメニューを考える」ミーティング後の発表の様子です。
(グループA)
グループA「自分たちはヘディングを練習したいです」
監督「うん、それは全員で決めたの?女の子たちが自発的にヘディングを練習したいって?」
グループA「、、、いえ。」
(グループB)
グループB「自分たちはパスをやりたいです」
監督「うん、この前の試合でもパスミスが多かったよね。でもパスミスの原因って何だろう?」
グループB「、、慌ててパスを出してしまって、、」
監督「では何故慌ててパスを出してしまったんだろう?」
グループB「、、、うーん、、」
(グループC)
グループC「自分たちはロングパスをしたいです」
監督「うん、半面にこれだけの選手たちがいるけど、、できるかな?」
グループC「あ、そうか、、、」
監督「週末やフルコート使えるならいいけど、ここでは難しいね。それに全員がロングキックをやりたいのかな?」
グループC「、、、いや、俺らで勝手に、、、。」
言い負かしたいのではなくて!サッカーって考えるスポーツだからこそ、その考えるという必要な仕事をせずに何となく上手くなるほど簡単じゃないんだ!ってことを言いたいのです。
であれば、監督にお任せでいいよなって思うのでしょう。監督の言うとおりすれば勝てるならそれに従います!ならばそれでももちろん構いません!
でも、、これではサッカーを通じて考える力をつけていくことは難しいでしょう。
また選手主導で決めていくということは、ある特定の選手の意見をベースに決めていくことではありません。仮に発言力の強い選手が主導で話をしていけば、今は自ずとその選手がやりたいメニューにいつの間にかなっていってしまっているのが現状です。それでは私の考える「選手主導」にもなりません。
小学生年代でそういう経験をせぬまま来た選手たちが中学、高校と上がって来ると変に周りの空気を読むようになり(既に4年生はその習慣ができつつあるように思います)、角が立たぬようにこの場を終えようと自身の意思を押し殺してしまう選手ばかりになります。
対して、自分はこう思うと言っただけなのに、発言力の強い選手たち(と括られると)は総じて浮いた存在になってしまう傾向にあります。見方によれば自己主張のできる人だし、違う見方をすれば自分勝手な人ともとれるのでしょう。
常にグループの中心になって自己主張のできる選手ばかりになって欲しい訳ではありませんが、様々な意見を聞き出せる人、周りの意見も素直に聞ける人も育んでいきたいなというのが思いです。
では、ここからはサッカーノートでの振り返りが深くなることで何が良くなってくるのでしょうか。サッカーノートを書くにあたり、ここでの話を参考に今まで書いていたものと照らし合わせてみてください。★まずはこれくらいでも良いです。こういう着眼点が持てるようになることが大きな成長です!
冒頭のパスに問題があると話す選手たちとは視点が異なって来ます。
「パスミスが多いって言ってたけど、それってどういう状況でのミスなの?」
「もらう前に周りの状況が見えていないから、相手が近くにいるにも関わらず足元に止めてしまって寄せられて慌ててパスを出してしまうんだよね」
「うん、俺もまさにそうで周り見る余裕がないんだけど、●●(人の名)はもらう前に何を見ているの?」
★「ちょっと待って、周り見るのももちろん大事なんだけどその前にコントロールに問題があるから次のプレーが遅れていくんじゃない?」
★「俺は話聞いててこれってパスミスが問題じゃなくて、ボールを受ける前の練習をすればいいんじゃないって思ったんだけどどう?」
★「じゃあ、相手が近くにいる状況でパスを受けてプレッシャーを常に感じながらコントロールパスの練習しよう!」
パスミスが多いからパスの練習をしようというのは今の話を読み取っていくと全く解決策にはなっておらず、何が理由でこうなってしまっているのか、自分がどこに悩んでいるのか、違った視点を持てるようになるにはノートを通じて私が時折選手たちに出しているヒントをちゃんと拾えているか、短絡的な考えでノートを書いているうちはそこまで話が至らないかもしれません。
ましてや「●●がこの前の試合はうまくできなかったので、練習から心がける」などでは絶対に変われません!!
ミスの根底にある課題が何か?自身のポジショニングに課題があるのか?単に技術的な課題なのか?関わる周りの選手のポジショニングに問題があるのか?
それでも時間をかけて選手へのアプローチを続けていくのは、小学生も回数を重ねていくにつれて必ずできることは増えていくんですね!子どもの可能性は無限大です。教えずともあっと驚くようなプレーをするのは、決してマグレではなく彼らなりにこうしたらこうなるんじゃん?と考えているんです。
いや、もしかしたらたまたまかもしれません笑!
大人の勝手な先入観で「小学生にはそんなの無理ですよ。」「監督のサッカーは子ども達には難し過ぎます、もっと自由にやらせてあげたら、、」という声も今まで何度も聞いて来ました。
それよりもまず大人は黙って見守ることも時には大事ですね。
子どもも一緒です。自分の勝手な先入観で「自分にはそんなのできないよ」と思うのは簡単なのですが、じゃあもしその子が最難関校をもし中学受験で本気で目指す選手だとしましょう。
算数で「場合の数」や「速さ」「立体図形」の問題が苦手だから最難関校受験は諦めるって、そんな理由絶対にないですよね?!
問題自体が長文でも、それを早く読み解き、問われていることを整理し、場合によっては捨て問と回避せず、これも正答させねばなりませんよね?
サッカーだって一緒です。だからこそ、自分が本当に今より少しでも上手くなりたいという思いがあるならば、まずは頭を使って考えましょう。使って、使って、使いまくりましょう!ミスを恐れずどんどんトライしましょう!ミスしまくって、より良いものを作っていきましょう!
そうやってできるようになってくるものなんです、それをやる前から決めつけるのではなく、どうしたらできるようになるかを考えてもらいやってもらうのは勉強と同様です。
それをそういった積み重ねなく、急にできるようになることはないことはおそらくお分かりいただけるかと思います。サッカーノートも質を上げていければ、技術向上だけでなく戦術理解向上にも必ず繋がります。でもやらなければそこに近づくことも出来ないでしょう。
同じような振り返りをずっとしていても、同様に変化もなければ成長もありません。同じことを繰り返してしまうのは、自分なりの試行錯誤がもしかしたらできていないからかもしれません。
監督がいつも聞く「なぜ?」「どうして?」に対して、間違ってたらどうしようではなく、まずは意見をどんどんぶつけてみましょう!そこで間違えて怒られることは100%ありません!!
合ってるかわからないけど、、でもまずは発言してみましょう!それが合っているなら、それが自信になります!間違っていてもそれが分かることで、また少し成長します!
間違ってたら恥ずかしい、、でもまずは発言してみましょう!皆も分かっていないことの方が現状多いです!「知らぬはいっときの恥」という言葉があるように、それを通じて自分だけでなく多くの仲間が分かることが増えます!自分だけでなく仲間が皆成長します!
つぶやきもあと2日、、もう少しお付き合いくださいますようお願いします笑
三角 康晴