TRへの取り組み方について
皆さま
お世話になっております。
これまでにハイプレス・ハイラインからの「ショートカウンター」と「ロングカウンター」について話してきました。昨日最後に貼った2つ目の動画は迫力がありましたね。
ここまで強調してきたことは「走力」の部分で、平日TRは週末TRでは行わないダッシュ系のメニューを毎週行なっています。低学年においては対人練習で高負荷をかけることで、サッカーをしながら走力強化を行なっています。全員が平日TRに参加できればそれに越したことはないのですが、それが難しいことからも週末しか来れない選手も負けじと週末TRを全力で取り組んでもらいたいと思っています。
さて、本日はTRへの取り組み方についてです。
御殿山シューキューズのTRは平日1日、週末2日の計3日と他のクラブから見ても決して多くはありません。また、TR時間においても他のクラブが1.5~2時間あるに対して、1時間と監督である私が就任した当初は「短いな、この間に何を落とし込もうか」と何度も頭を悩ませておりました。伊藤コーチともずっとこれについて議論を交わすうちに出てきた答えは「(あくまで我々スタッフの目から見て)選手たちが1時間すら全力でやれていない」ということから、選手一人ひとりのTRへの取り組み方を変えていくことに達しました。
ある週末TRを例にすると、冒頭5~10分のリフティング、手でボールを持っている時間や地面にボールがある選手が多く、また規定回数をクリアした途端にそこで満足してしまったかのように、今度は周りにいるコーチや選手と話しながら取り組む選手が現れます。低学年から高学年、チャレンジとエンジョイ分け隔てなくそれに没頭できる選手もごくわずかにいるのは事実としてはおりますが、その時間をフルに、リフティングに充てる選手は片手で収まるくらいです。
このリフティングを今年度は年間通して継続して行なっているのは、私の発案です。このTRで重要視しているのは、単に回数をしっかりできればいいという訳ではなく、TRへの取り組み方や苦手なものに対する向き合い方を変えていく必要があることからです。苦手なメニューだし、毎回5~10分で終わるものだからなんとなくやり過ごせば時間は経過します。ですので、毎回規定の回数をクリアできない選手もいれば、規定の回数さえクリアしたらなんとなくやっている選手が残念ながら大半であるように私は見ています。
ダッシュのメニューも同様です。
絶対に一番になりたいという強い思いで取り組む選手はごく一部で、あとは「なんとなく上位にいれば」「あいつよりも上にいれれば」「最下位でなければ」と周りを見渡しながら走り、「他と比べて自分がどこにいるかが気になる選手」というのが残念ながら大多数です。今年に関しては、高学年については首位の座を6年生でなく下級生に明け渡してしまっています。これは今まで見てきた高校1年世代から中学1年世代まで一度もありませんでした。後期、期待して6年生の本気を見たいと思います!
毎回実施しているメニューだからこそ気づくものです。見て欲しい一心であからさまに私の視界に入って来ようとする選手もおりますが、見てないようにしながらもしっかりと見ています。熱心に取り組む選手や上手な選手しか見ていないという訳では決してありません。ただ、視界に入ってくる選手は総じて見られなくなったと思うや否や、すぐに気を抜いて、手を抜いてしまいます。それが現状です。
与えられた時間は全員に平等で1時間です。
この前も「練習後に小関公園で自主練をみんなでやるんだ!」と話している選手たちがいましたが、「そうではなくグラウンドでの1時間を全力でやってたら、そんな余力はないはずなんだけどなぁ、、、」と思いながら話を聞いていました。
普段から60~70%で練習に取り組んでいるのに、いざ本番に100%の力を出すのは可能でしょうか?
チアリーディングの世界ではたった2.5分というとてつもない短い時間で最大限のパフォーマンスを発揮するために、何百時間もTRを行なっています。手も気も抜けないんですね、命の関わるスポーツなので。また20人近くの選手たちがその完成度、難易度を競う競技なので、疲れたから手を抜いていい、気を抜いていい訳でもありません。何mも上に選手を放り投げる(うまい表現が見当たりませんでした)、そこでバランスをとって肩に乗る、手に乗る、、こういう競技もある中で、今の御殿山シューキューズはまだだいぶ余裕があるなぁと思うことがあります。(伸び代しかありません!笑)
平日含め3日来れば試合に出られる訳ではありません。週末しか来れないから試合に関われない訳でもありません。ただ、平日含め3日来ていることに満足していないでしょうか。週末しか来ていないからと半ば諦めていないでしょうか。中学生年代以降になれば、人生において努力が必ず報われる訳でないことを彼ら自身が実感することが多くなるでしょう。でも小学生年代のうちは、努力すれば報われることも彼らに実感してもらう貴重な期間だと思っています。そういう環境を作れたからこそ、今の中学2年の代は多くの隠れた逸材たちが現れました。彼らが初めて区内ベスト8という功績を残してくれました。練習からウェアがいつも汚れ、ボロボロになる程でし た。
この前高学年練習で強く彼らに伝えましたが、今までの御殿山シューキューズは10点、20点取られて負けるのが当たり前のクラブでした。そこから私と伊藤コーチと毎週、時に毎日このクラブをどうしていこうと何度も何度も議論し、時には衝突し、少しずつ今の御殿山シューキューズへと近づけて来ました。
練習に厳しさがもっと欲しいです、真剣さがもっともっと欲しいです、競争がもっともっともっと欲しいです。1時間という時間しかないのに、手を抜く、気を抜く時間なんてあるわけがありません。ベスト8で満足なんて私自身全くしません。それは私がどうこうではなく、彼らがもっともっとやれると信じているからです。もっとやれるのにやらない習慣がもうついてしまっています。のちに控える予定があるからと余力を残している選手では、セレクションを勝ち抜くなんて到底無理です。終わったら塾の講習があるから、終わってからまた違うスクールの活動があるから、、それは両立とは言えるでしょうか。50-50で100ではなく100-100を目指す逞しい選手が後期は現れてくれたら、御殿山シューキューズの未来は明るいです!!
三角 康晴