全力でTRを行うためには?

皆さま

お世話になっております。
昨日はTRへの取り組み方、向き合い方についてをテーマに話をしました。
前回、リフティングとダッシュのメニューに関することに触れましたが、今回はそれに関連し「全力でTRを行うためには?」というテーマで話をしていきます。

私が就任して5年間で「この選手は伸びたなぁ、変わったなぁ」と思う選手は、全員に共通して「何事もまずやってみる選手」いわゆる「素直な選手」です。
この年代の選手のほぼ全員は、おそらく自身の限界値というものを知りません。ダッシュをしていて残り1分という状況下、体力的にももう限界、周りも特にラストスパートをかけそうな雰囲気もない、そんな時に「そうだ俺はまだできる、絶対に周りの選手よりももう1〜2往復してやる!」余力を残している風には見えない真面目な選手でも、「あと1分だぞ!まだやれるぞ!」という声かけに強い気持ちで応えられるような選手は、やっぱり他の選手よりももう1〜2往復するんですね。
それを常日頃からやれる選手が、てっちゃんこと桂てつひろ選手です。「走りのTRを一切手を抜かない、最後まで体力も持つだろう」→「だから周り(仲間)の足が止まり始める試合終盤でももうひと頑張りできるだろう」だから練習試合ではありましたが、6年生の試合でも躊躇なくダブルボランチの核となるポジションで最後まで出場してもらいました。一回り身体の大きい選手に対しても臆さず、本当に激しいプレッシングを何本もかけ続け、それに奮起し6年生も頑張ってくれました。

その限界を越えようとし、自らの力で越えることができた選手は、その後劇的に成長をするなという印象です。
もちろんこちらでも常に発破をかけます。しかし、それに応えることができるかは選手次第です。いくら足元の技術が優れていても、こういう状況で頑張れない選手ならば、私は迷わずこの場面で頑張れる選手を起用します。あえてこれについては全体に共有いたします。何故あの上手い選手が何故使われないの?という話が私の耳にも入って来ることがありますが、御殿山シューキューズのサッカーでは、上手さよりもここが最重要視されます。

結論としては、常日頃の練習からその習慣をつけていくことに尽きます。御殿山シューキューズのTR時間が少なくても、そこで出せる限界値を昨日より今日、今日より明日、、とどうしたらその限界値を上げていけるでしょうか?そういう姿勢、取り組み方が苦しいTRやキツいTRにおいては如実に現れます。今の高学年練習を見ていると、「この選手よりも下でなければ」とか「上位でなくても下位でさえなければ」と一番を常に目指そうという志高い選手が1割未満、あとは周りと比べて「自分がどこにいるか」を強く意識する選手ばかりなのが気になります。
それでは昨日話した自主練をいくら頑張ったとしても、ここで追い込むことはできるでしょうか。ハッキリ言って不可能でしょう。
自主練で自分自身を追い込むなんてことが常日頃からできていたら、それが通常TRでも明白になると思います。順位が劇的に上がるとかがないとして、「監督、このところあの選手めちゃくちゃ追い込んで走ってますよ!」「伊藤コーチ、全部は見れてないですがあの選手、この前より本数上がりました?」という会話が、そういう選手の場合は必ずと言っていいほどに出てきます。それを絶対に見逃しませんので!そんな選手が今よりももっと出てきて欲しいですが、、笑

ダッシュで過呼吸になってしまうような、1時間のTRで足が攣ってしまうような、日頃から全力で取り組める選手たちが一人、二人と出てきて欲しい!上手い上手くないが大事ではありませんよ、そういう辛い状況、キツい状況でもあの選手は一切諦めたり手を抜いたりしないよな、と見て分かる選手です、まずはそのレベルでもいいです。ただ、パフォーマンスは残念ながら見逃しません。「やってる風」は本気でやってる人には全てお見通しです。だからこそ常に緊張感を持って練習に取り組んでください、チャレンジ、エンジョイも全く関係なく見ます。
3年エンジョイの選手の中でも、本当に本気でやりたい、頑張って上手くなりたい、チャレンジの選手たちにも勝ちたい!という気持ちが練習を見ていて伝わる選手もいます。監督は、伊藤コーチのもと今やっていることを信じて続ければ、必ずそうなれると思っているよ!!

だからこそ、1時間をまず全力でやり切る、最初と最後だけ頑張るとかではなく全部を全力で頑張る、そんな当たり前のようでなかなかできないことを、サッカーを通じて御殿山シューキューズでは特に指導をしております。中学生、高校生になって追い込めない選手がものすごく多い一番の理由は、このジュニア年代で既に全力で取り組めない習慣を築き上げてしまっていることだと私は思います。ここで毎回リミッターが外れてしまうほど追い込む選手は、今までもそう見ることもありませんが笑、現在J2所属クラブのトップチームコーチで活躍されている私の大学時代のサッカー部の先輩は、走りのTRではほぼ苦しくて倒れ込むほどに追い込む選手でした。あのような選手を御殿山シューキューズでは沢山育てていきたいなと思いましたし、そういう選手が息長く選手として活躍できるのだろうなとも思います。

長期オフもいよいよ折り返しです、1時間全力で勉強する、全力で走り回る、全力で遊ぶ、何でもいいです!自分の全力が、自分の限界がどこかを知ることはとても大事なことですよ!!

三角 康晴