「サッカーノート」について

皆さま

お世話になっております。
いよいよ今週末から御殿山シューキューズの活動が再開されますが、体調崩されたりせず元気に過ごせていますでしょうか。思い切り遊び、勉強し、ご飯もしっかりと食べて、また暑さに負けない身体づくりを目指して行きましょう!!

さて、本日は昨年度からスタートした「サッカーノート」についてです。すごく丁寧に振り返りを行なっている選手もいれば、定型文のような振り返りになっている選手がまだ多いです。この期間をうまく活用し、「サッカーノートの振り返り」をしてみてはいかがでしょう。

まずはじめに、監督からのお願いです。
サッカーノートは丁寧に書きましょう笑!自身の振り返りであり、伊藤コーチや監督も読む大切なものでもあります。字が雑な選手は監督は「あ、きっと振り返りも雑なのかな」と思ってしまいます。キレイに書きましょうと言っている訳ではありません、丁寧に書くことが大事ですよ。

本題に移ります。
サッカーノートを皆さんは何のために書いているでしょうか。「出さないと監督に怒られるから」「出さないと試合に出られないから」といった誤った動機もあるように思いますが、、同じプレーでミスを何ヶ月も繰り返していることをどうにか改善しようと思うならば、こういった動機でサッカーノートを出すとはならないのではないかなと不思議に思います。「書くことが面倒くさい=振り返りをしない、上手くなるチャンスを失う」もったいないですよね?

対して、「書くことで自身のうまくいったプレー、うまくいかなかったプレーを振り返るため」「うまくいかなかったプレーは何が原因だったのか、どうしたら次はうまくいくかを自分なりに考え、改善に努めるため」ノートを見ていてこういうために振り返りをしている選手がごく少数いるのですが、やっぱり振り返りがより詳しくなってくるのと、先日話をした「素直な選手」が大変多いことからもそれを次の練習で紅白戦で、練習試合でトライしてみようとするのが成長の源でしょう。
その中でも彼らはミスをします。ですが、次トライしてみた、その上でのミスなので「この前これをトライしてみたがダイレクトパスの技術がまだ足りない。いつも練習でやっている三角形のダイレクトパスでは、パスミスを恐れず速いパスを蹴ってみようと思う。」
同じようにノート提出する選手たちが各々で成長度合いが異なるのは、ここの振り返りやその後のアクションによるものです。高学年でも振り返りが雑、そもそもしない選手も多いです。ただ、受験生である6年生も欠かさず書いて提出する選手もおり、彼らはやっぱり5年~6年にかけて劇的に成長したなと思います。まず第一に、素直になりました笑!!本当に大事だなと気づかされます。

では、大多数の振り返りについて、一例【選手A】を示します。
「相手のプレッシャーが早く慌ててしまい、パスミスが目立ってしまった。なので、次は慌てずにパスができるようにしたい。」

(課題)パスミスが目立った
(原因)慌ててしまったから
(改善策)慌てずにパスをする

このミスの原因は「技術ミス」なのか「判断ミス」なのか?こういったミスの原因がまずどこにあるのかを考えられるといいですね!また、この選手が中盤(MF)の選手なのか、守備(DF)の選手なのかによっても変わってきそうです。
あくまで私見ですが、御殿山シューキューズの選手たちのミスの原因を言語化させていくと以下のように分類できます。

【選手B(中盤左)】
(課題)パスミスが目立った。
(原因)ボールを受ける前に自分の前にスペースがあるのか、そもそも自分がフリーだったのか、周りにいる選手でフリーな選手がいるかを確認しないままボールを受けることが多い。①そのため、コントロールミスが原因で無理な体勢からパスを出してそれがミスに繋がってしまった。②ターンして前を向けたものの、ドリブルかパスかの判断がうまくできなくて相手のプレスに慌てて出したパスが浮いてしまった。
(改善策)
 ①ボールを受ける前にフリーな味方選手を見つけ、そこに出しやすいコントロールをできるようにする。
 ②ダイレクトパスで味方選手に裏抜けをどんどん狙ってもらう。そうすることで自分の前のプレースペースが大きくなるので、ターンして前を向きドリブルでも仕掛けられるようになりたい。
 ③ボールを持ってから何をしようかと考えているのでミスがなかなか減らない。監督からも「ボールを受ける前に必ず周りを見よう」と言われるけど、その時に何を見たらいいのかが分からないので教えて欲しいです。

【選手C(左サイドバック)】
(課題)パスミスが目立った。
(原因)自分が右足でしかボールを扱えないため、センターバックからのパスを右足で止めてしまい(自分から見て)左側からプレスをかけられパスコースが真ん中しかなく、慌ててマークをつかれている真ん中の味方選手にパスをして相手に奪われカウンターをされてしまった。
(改善策)
 ①左足でボールを受けれたらトップの選手の裏のスペースにパスができたと思う。
 ②GKにバックパスをして、サイドに開いてもう一度受け直すことができたと思う。
 ③練習でトライしている動いている味方の足元に正確に出してリターンを受けるのを、中盤真ん中の選手の足元にパスを出してもう一度受け直すことにトライしてみる。

振り返りがこれだけ変わると、成長度合いは間違いなくBさん、CさんはAさんよりも早まります。ミスを一切他人のせいにせず、自分に課題を向けられていることも大事ですね。また、状況がより詳しく書かれているので、時間が経っても「あ、あの場面のことを言ってるんだな」が分かるので、監督もその状況を思い出しやすいですし、より正確なアドバイスができると思います。

Bさんの場合は、分からないことが何であるかも正直に書ける「素直な選手」なので、とてもこちらからのアプローチがしやすいです。個別に話ができることや何に困っているのかも分かります。「徐々に見れるものを増やしていくために、まずは●●を見れるようにしよう!」のような振り返りを監督と選手が一緒にできるのがサッカーノートのいいところです。

Cさんも自分の課題である「右足ばかりでプレーしてしまう」ことを自覚している「素直な選手」です。しかし、振り返りの時点ではとても素直な選手なのですが、いざトライしているかというと課題を自身で明確にしているにも関わらず、一向に左足を使おうとしない選手だったりします。振り返りが素直なだけでは成長できるでしょうか。Cさんのような選手をどうにかBさんのようにチャレンジングな選手にしていけたらと思います。

以上のように、サッカーノートは監督とのコミュニケーションツールでもあります。当然ながらノートを書けばいい訳ではありません。振り返りのないものでは、残念ながら成長も容易ではありません。約1年やってみて、ノートを出さない、出せない理由の一つに「正直何を書いたらいいのかが分かりません」という選手だっているだろうと想定しております。振り返りが面倒くさいから、書くのが面倒くさいから、もいるでしょうが、それで上手くなりたい、レギュラーになりたいはおそらく通用しないでしょう。

御殿山シューキューズで活躍していくために、練習時間1時間の中で全力プレーができる選手、限られた練習、練習試合等の活動の振り返りを全力でできる選手が自ずと求められてくるのだろうと思います。

変わろうとするのも選手次第です、大人がするものではありません。
最後に、一部のサッカーノートの中に親御さんと共に振り返りをしているのだろうと思われる選手もおります。振り返りは大人がするものではなく、選手であるお子様がしてください。それでは選手の成長はありません!!

三角 康晴