身の回りのことに厳しく指導する理由

皆さま 

お世話になっております。 
今週末でオフを終えいよいよ今週日曜日から待ちに待った御殿山シューキューズの活動が再開されます。昨日も後期の活動に向けて伊藤コーチといつもにも増して4時間を超えるミーティングを行いました。ただいま絶好調の低学年練習を今後どうしていこう、まだまだ伸び代ばかりの高学年練習の構成をどう見直していこうか、と様々な意見交換を行いました。今回は「何故監督が学校生活や挨拶、身の回りのことに対し厳しく指導するか」について触れたいと思います。 

まず御殿山シューキューズは1975年創設、区内小学校の先生が監督となり、平日や週末に子ども達のスポーツを楽しむ場を作るために区内数十校が同年、学校単位でチームを作り春秋でリーグ戦を、冬に区長杯を行っておりました。礎を築いた永峰先生が最も大事にしていたこととして、「サッカーよりもまず人として」という教育面に重きを置いて指導をされていたと伺っております。そのため、私自身もそこに強く共感し、先代の教えを今もそのまま踏襲しております。 
スタメンであろうと6年生であろうと一切特別扱いをせず、チームとしてやるべきことをしっかりと守れる選手、チームの定めるリフティング回数(本当はそれも踏襲したいですが、現状ですと誰ひとり試合に出れません笑)を超えた選手でないと試合には出れなかったようです。前任の後藤監督が退任されるにあたり、そこを再度永峰先生が大事にされていた教育面に重きを置く御殿山シューキューズに戻し、今日までそれを続けておりますが、本当の理由は別にあります。 

御殿山シューキューズは大多数の選手達が中学受験をし、外部のクラブチームに行かない限りは基本的に学校の部活動でサッカーもしくは違うスポーツをするでしょう。学校体育の延長として在る部活動ですから、学校生活や挨拶、身の回りのことは自らが考え実践することが求められます。前提として、学校に何をしに来ているのか?本業は学問です。重んじられることはサッカーが上手いかどうかではなく、学校生活や挨拶、集団行動ができるか、人としての当たり前に求められることが、色濃く求められるのが学校教育です。今までの小学校教育では甘く許されていたことも、通じなくなることも多くでてきます。 
6月中旬に、御殿山シューキューズとしても学校側としても初めての試みとして、慶應義塾普通部サッカー部とのタイアップで部活動体験会を開催しました。実際に保護者の皆さまにもお話がありましたし、生徒達への声がけに耳を傾けると、御殿山シューキューズで言われているような「学校生活」「話をきく姿勢・態度」といったフレーズを耳にしました。 
別の私立学校の先生とも話をするのは、サッカーの前にもっと身につけて欲しいのって「自然と挨拶ができる」「ちゃんと話を聞ける」「学校生活がちゃんとできる」とかの当たり前のことなんですよね、、と。それ以外でも、自分のことしか考えてない言動や、苦しい時に頑張れない、人任せにするなど、(関わる大人も)言うの嫌なのも分かるけど「そういうことができない選手はやっぱりウチの学校で活躍していた例が今までにほとんどないですよね」と。 

何故か?それはマンパワーで勝てるような人材はそういった学校、チームには本当に少ないからです。それにその選手中心にチームづくりをする先生というのは少なく、チームワークを重んじるチームが多いなというのが私がジュニアユースの監督をしていた時に対戦した開成中や城北中、世田谷学園中、攻玉社中などを見ていても共通の印象です。試合で勝つことももちろん大事ですが、その大事なプロセスを端折ってまで勝ちにこだわる指導者はほとんどいないでしょう。むしろそれをして勝つこと自体が難しいからです。 

だからこそです、だからこそ「サッカーだけやってればいい」なんてことは私は今までもどの選手にも言ったことはありません。先を見据えた指導を今までも一貫して続けてきましたので、学校生活を誰よりもしっかりとやろう、されてからするのではなく真っ先に挨拶を元気よくしよう、使う前よりキレイにしてグラウンドを出よう、自分のものでなくとも気づいた人が何でもやってあげよう、仲間だけでなく対戦相手や審判の皆さんへのリスペクトの気持ちを持とう、もしかするとサッカー以外のことの方が厳しかったと思います笑。 

御殿山シューキューズを巣立った選手であれば、各チームの見本になる選手として、グラウンド内外で活躍して欲しいし、そういう当たり前のことができなくて次のステージで活躍の場が得られないのはもったいないですよね。御殿山シューキューズの子だったら安心と思われる、そんな選手たちになってもらいたいからこそ、あえて厳しくそこは指導をします。先日、大学サッカー部のOB会がありましたが、面白い話を聞きました。とあるJチームの監督が「挨拶すらろくにできない選手が多くてさ、プロだからってなんか勘違いしてるんだよなぁ」と。そういう選手たちってやっぱり試合にも出れてないそうです。大学でもこのところ成績が下降気味の大学もピッチ 外での活動に問題があったり、そこを今まで厳しく管理していたものが緩んだせいもあってか、、そのレベル?というツッコミも入りそうですが、何を言いたいかというと大学、プロまで来れても「当たり前のこと」ができていない選手は活躍ができていないということです。 

サッカークラブですのでサッカー指導は当たり前にしますが、学校生活や挨拶、身の回りのことを自らが率先して行えることはサッカー選手である前にできてて欲しいこととして、厳しく指導をしています。だからこそ、言われたからやる、監督に怒られるからやる、見られてないところではやらない、言われるまでやらない、それでは全く意味のないことと思います。それが当たり前にできてくる選手は私の中では大丈夫、これからどんどん伸びていく!と自信を持って言えます。 

目の前の人に気づけない、目の前の荷物のズレが気づけないようでは2,400㎡で行われるサッカーでピンチ、チャンスに気づけるでしょうか? 

最後に、これから中学受験を志す選手ならびに親御さん達に、特にサッカーも視野に入れて進路選びをしようと考えていて、力を入れている中学であれば私も可能な限りの伝手を使って、先日の慶應義塾普通部サッカー部とのタイアップのように部活体験会を行ったりができたらと思います。 

ネットが普及し、中学総体や私学大会、Tリーグや高円宮杯予選等、様々な大会に出場してクラブチームを倒す中学も出てきて、必要な情報も以前よりずっと得やすくなりました。 
しかし、それがお子様の実力的に、またチームのやりたいサッカーに合うかも含め、本当に見合った学校なのかも知れる機会も提供できたらと思います。 

コメント欄への返信(こちらは非表示になっております)や個別返信等で希望する学校をいただき、声の多かった学校をいくつかピックアップして訪問できたらと思います。もちろん任意ですが、文武両道を目指す志高い選手についてはやっぱり応援したいなと思います。 
御殿山シューキューズだからこそできる他のチームではまずできないプログラムです! 

三角 康晴