新年度のご挨拶

御殿山シューキューズ
選手・保護者様
コーチの皆様

新年度がいよいよ始まりました。最初のご挨拶として、長文となりますが皆様に、新年度の想いをお伝えさせて頂きたいと思います。

さて、御殿山シューキューズの活動が始まる4/9(日)を、心待ちにしている選手たちも多くいるのではないでしょうか。かく言う私も、楽しみにしている一人です。溜まっていた観たい試合をDAZNで観たり、週末は関東リーグ所属クラブ(中学)や高校(プリンスリーグ関東の試合:帝京高校戦)へ、自身の勉強のために行ってまいりました。

ちなみに、サッカーから離れオフを満喫している訳では決してございません(笑)。伊藤コーチとはこの期間を使い、今年度から時間をかけて少しずつ落とし込んでいく「プレーモデル(サッカーの型・原則集)のようなもの」を作り始めています。小学6年間という貴重な時間を、この御殿山シューキューズで頑張りたいと門を叩いて来てくれた子どもたちのために、その子たちが中学の3年間、また次高校の3年間で、真剣勝負の場に立てるような人材となれるよう、目先の勝った負けたという短絡的な追求の仕方ではなく、このジュニア年代でしっかり学ぶべき、身につけるべきことを時に指導し、時にグッと我慢して気づかせる育成を進めていくべく、新体制5年目にして、壮大なプロジェクトをスタートさせました。

先ずは昨年度より、夏期・冬期に約2週間のオフを思い切って敢行、春期も実施しております。近隣クラブに比べて、我々御殿山シューキューズの始動は遅いともとれるでしょう。当然ながらもっとやって欲しいという声も挙がりましたし、スタッフ間でも昨年度は、議論を何度も重ねてまいりました。私や他のコーチのほとんどが「年間通してオフは数える程」という、サッカー漬けの生活を経験してきましたが、その上で今回の決定に至っております。

置かれている状況が異なり、長期休暇になれば、子どもたちは春期講習・夏期講習・冬期講習があります。ただでさえ家族と過ごせる時間が限られる中で、家族で過ごす時間以上に大切なことがあるのか…中学生、高校生になり、もし本格的に部活動やクラブチームの活動が始まれば(強豪になればなるほど)、休暇期間に家族で遊びに出かける、家族と過ごす時間は残念ですが皆無に等しくなります。

※公立高校出身だった私でさえ、年末は12月30日まで、始まりは元旦の早朝(笑)、各チームが長い休暇をとる間に我々は、早く始動して差を埋め、差を生む。そういう環境下にお子様たちが身を投じることも今後あるかもしれません(強豪校以外の私立高校だってそんな思想の指導者がまだまだいらっしゃいます)。

様々な議論の末、オフ期間に何をするといった『トップダウン的な課題』を昨年度からは、出しておりません。選手たちである子どもたちが、自ら考えて行動することに意味があると私たちは分かっていますし、何でも大人が与えることに慣れてしまえば、彼らがどうなるのかも分かっています。だからこそ、彼らの変化を待つことも私たち指導者の大事な役目の一つだと思っています。

お子様の家での過ごし方はどうですか?黙っていてもサッカーに触れている選手がどれだけいるでしょうか。普段なかなか遊べない友達と遊ぶことも大事ですし、サッカーから離れることも大事です。こんな時だからこそ、ご家族での大切な時間を過ごしていただきたいですし、義務でサッカーをやっていてはあまりに不幸せだと思います。サッカーが大好きでサッカー漬けの日々を送りたいと心から思っている選手であれば、子どもたちは勝手にサッカーをします。場所がなければバスに乗って八潮に行ったり、サッカーを家で観たり、サッカーにも活かせるかもと、走ったり違うスポーツをしたりしています。

もし仮に、朝から夕方まで何時間もサッカーをする選手たちが確実に上手くなるならば、私も休みを返上しこの春休みをサッカー三昧の日々にすることもできます。ただ「本当に子どもたちの成長(心身における)のためになるならば」です。

ところで、こんなことが往々にしてあります。
ほぼ休みなく、サッカー漬けの生活を送る部活やクラブで活動し続けている彼らは「急なオフ」をとにかく喜びます。【大好きなサッカーができないのに】です。本来であれば、大好きなサッカーができなくなれば、残念で悲しい様子となるはずです。これが実は、近隣クラブでも近い現象が起きています。例えば、小学校を卒業してサッカーを続けている子が何人いるか。我々はすぐに言えますが、大多数のクラブのスタッフはそうではありません。チームを巣立ってからの選手のことは、大事ではないようです。楽しみが他に見つかったのであれば、それはとても素晴らしいことです。ですが「サッカーはもういい」と言って他の部活に行く(部活があるにも関わらず)、「もうやりたくない」となってしまう理由はどこにあるのでしょう。甥っ子の所属していたクラブも、先日OB会がありましたが「小学校で飽きるほどやったしサッカーはもういいかなぁ」と言っていました。ちょっと残念ですね。

サッカーは義務的にやるものなのか、心底やりたくて仕方ないものなのか。

私は、子どもたちに少しでも長くサッカーを続けてもらいたい!サッカーはいつだって楽しいものなんだ!サッカーを通じて成長してほしいと考えております。子どもたちの想いに耳を傾けなければならないのが指導者であり、大人の役割なのかなと思っております。

オフ期間は、子どもたちの心身におけるとても大事な期間です。またサッカーがやりたくて仕方ないという心の醸成と、長期シーズンを終え心身のバランスを取り戻す貴重な期間です。シーズンが本格的になればどの学年もリーグ戦が始まります。単に練習試合を多く組む訳ではなく、シーズン終盤ともなれば毎月公式戦が入って来ては、勝敗を嫌でも突きつけられる彼らが、とてつもないストレスと常に向き合っていることを、我々大人が忘れてはいけません。『この期間中、サッカーをさせてないと技術が落ちてしまうのではないか…』『早くから始動しているチームに差をつけられてしまうのではないか』という不安は、心配ご無用です。

大切なのは【限られた時間の中でチームとしてどう戦うのか】【サッカーとはどんなスポーツであるかを理解すること】【チームスポーツとしてチームのために何ができるのか、何をすべきかを理解すること】。それらを選手が体現できるよう、取り組んで参ります。

今年度からは【ボトムアップ理論】という組織づくりの理論を取り入れながら、チーム創りと運営をしてまいります。子どもたちがチームや試合を作り上げていきます。これは、近隣の他クラブでもやっておりません。また今年度は、御殿山主導・主催のリーグ戦実施にも挑戦します。『選手が主役・自ら考え行動するリーグ戦』を目指します。

選手の人間的な成長を第一に考えて、全員がリーダーとなり、自主自律を選手と共に指導者も、全力でチャレンジしていきます。御殿山シューキューズが魅力あるクラブとなるよう努めてまいります。

今年度も皆様どうぞご協力の程、宜しくお願いいたします。

監督 三角康晴