素直さこそが成長には不可欠
皆さま
お世話になっております。
昨日は「全力でTRを行うためには?」というテーマを話しました。
冒頭の部分で書いた、伸びる選手に共通して持ち合わせている資質の部分で「素直な選手」というものを挙げました。確かに素直にまず何でもやってみようという姿勢は大変重要です。ただ、監督の話を一から十まで聞く従順な選手=素直な選手という訳では決してありません。
監督である私の言うことが全て正解だなんてあまりにおこがましく言えません、むしろ発想の柔らかいジュニア年代の選手たちの方がより面白い発想を持ち合わせていると思います。
そこで私なりに考える「素直な選手」を、ここでは「自身で考えられる」という言葉を付け加えた上で定義します。
言われてまずはやってみる、根本これがまずできない選手がとにかく多いです。これができないと、話が先に進みません。指導者としても、「まずはこれができるの?できないの?」を見た上で、できないならば「まずこれをできるようにして引き出しを増やそう」ですし、できた上で更なる課題を提示していきます。ですが、ここで「今度はこれをアレンジしてこうしてみよう」とか、「こうしてみたら試合で使えそう」と自身で試行錯誤できる選手になってくることで、それが他の人との大きな差となるのだろうと思います。
素直さというのはそれだけではありません。分からないことを分からないと言える素直さも大事なことです。これができない選手も残念ながらとても多いです。分からないことを悪と捉えているのか、分からないから聞きに言ったら監督に怒られるんじゃないかと思っている選手が大半なのでしょうが、勿体無いなと常々思います。聞いて怒られた選手を見たことがないのに、先入観で聞いたら怒られると勝手に思い込んでいるのは実に勿体無いなと思います。
ただ私からそれを歩み寄ってはしません。困っていたら周りの大人が何でも手を施してくれる?そんな大人だけじゃないよ、ということもちゃんと伝えて行かなければなりません。困ってる素振りを見せれば監督が助けてくれる、コーチが助けてくれる、そんな大人だけじゃないよ、ということもしっかり指導することは、私たちにとってお預かりしている大事な選手たちの成長には必要なことと思っています。
だからこそ、それを親御さんが一から十までやってしまうご家庭を見ながら「あぁ、お母さん(お父さん)があれを子どもを信じてやらせてあげたらなぁ」とつい思ってしまいます。あえて私からは言いません。親御さんがやった方が確実ですし、早いですし、忘れ物をすることもありませんよね。ですが、自分がやっていないから、選手は平気で「お母さん(お父さん)がやったから忘れた、僕は知らない」と私に伝えてきます。ならば、自分で準備して時にはミスをして、「次から忘れないようにしっかりと準備を自分でしよう」ってなることが選手たちの成長に繋がると思っていただくか、「やっぱり私がちゃんとやらなきゃ」と親御さんが一から十までやってしまうのか、、、お子様の成長を望んでらっしゃるのであれば、「何がお子様にとって大事なことなのか」をちょっと手を止めて考えていただけたらと思います。御殿山シューキューズの活動にご理解、ご協力いただく上で、これは非常に重要なことです。
さて、話が逸れましたが、分からないことを聞ける素直さを持った選手は、御殿山シューキューズでの活動だけでなく私が行なっているPROFESSOサッカースクールでもよく見かけます。中学2・3年生が下は小学3年生と一緒に活動をしておりますので、上級生は「ちゃんとやる選手」には黙ってても「もっとこうしたら上手くいくよ」と優しく指導をしてくれるシーンをよく見かけます。
適当にやる選手に手をかける、目をかけることはありませんが、全体のレベルが上がることが練習の質を上げることも彼らは分かっていますし、自身がそうやって教わりながら上手になっていった経験があるからだと思います。そこでどんどん聞いてくる御殿山シューキューズ在籍の選手たちは分かっていると思いますが、何度それを聞き返しても怒られることはないと分かったからか、御殿山シューキューズでの練習時にも聞いてくるようになり始めました(本当たまにですが笑)。
指導者としても頑張ってるから応援したい、一生懸命やり続けているから何とかしてやりたい、一人の人間としてこういった感情が湧き上がるのは当然のことです。もちろん先ほども言った通り、「一人で頑張らなければならない局面」はたくさんこれからもやってきます。そこを一人で乗り越えられる真の強さを身につけてもらいたいという思いも私はじめスタッフ一同の願いでもあります。ただ、そうやって「応援される選手」は間違いなく「素直な選手」であり、指導者だけでなくチームメイトが助けてあげたくなる、サポーターが応援したくなる選手に育ち、結果的に誰からも愛される選手に御殿山シューキューズの選手たちがなってくれたらいいなと思いました。
リフティングでも何でもいっつも同じミスをする選手たちへ、練習不足ではなく素直さが不足しています。
素直さこそが成長には不可欠ですよ!!
三角 康晴